侍 第四陣 ミドル級グランプリ4.27
先日行われた侍第四陣ミドル級GRANPRIX。一日で全ての試合を行う過酷なトーナメントで多くの波乱やドラマが生まれた。今回は試合結果を一回戦から振り返っていきたい。
侍ミドル級GRANPRIX一回戦①
第零試合(リザーブマッチ)
✖️四街道マコト VS コナー・アンダーソン○
3R 0:25 ソバットラッシュ→ KO
肩固めを繰り出す四街道
容赦なく蹴りを放つアンダーソン
今回、MMA初参戦となった四街道。FFFのファンである平川が彼の試合を観て、MMAの資質が高いことを感じるとともに気合いのこもったファイトに心をうたれ、オファーを出したという。そして喧嘩屋アンダーソンを相手に堂々たるファイトを展開し、そのポテンシャルを見せつけた。とくにコンドー直伝の肩固めやジャーマンスープレックスが出た時に会場は大いに沸いた。そしてプロレスラーらしくアンダーソンの蹴りに必死に耐えた四街道だったが、3Rついに限界を迎えキックのラッシュの前にマットに沈み、ゴングが試合の終わりを告げた。
四街道マコト コメント
初のMMA参戦ってことで何とか勝ちたかったんスけどねぇ…。FFFを背負っていいとこ見せなきゃって力が入っちゃいました。コンドーさん直伝の肩固めなら1発で決めきらないとダメっス。そして触れ込み通り、アンダーソンさんの打撃は強烈っスね!!たくさんもらって、ある意味いい刺激になったっスよ。リベンジしたいけど、自分は自分、プロレス道に邁進するっスよ。アンダーソンさんも次はFFFのリングに上がって欲しいっス!!
コナー・アンダーソン コメント
正直ここまで食い下がられると思わなかっタ。彼の肩固めも油断すると極められてしまうレベルのものだったし、ジャーマンスープレックスを出された時も侍での二戦のキャリアがなければ受け身を取れずにやられていただろウ。まぁしかし勝ったのはワタシだ。ポテンシャルは感じルが、実力が上なのはワタシだったそれだけだヨ。
第一試合
○手塚フラッシュ VS イーゴリ・ゲルト✖️
3R 0:48 ブラジリアンキックラッシュ→ KO
飛びつき腕固めで関節を取ろうとするゲルト
決め手となった手塚のハイキック
試合前にどちらがよりフラッシュか決めると謎のコメントを残して周りを混乱させた手塚だったが、その試合内容は全盛期を過ぎた選手のものではなかった。ゲルトの繰り出す投げでテイクダウンを許すものの関節技は驚異の粘りで何とか外し極めさせない。そして要所で打撃を放ち精神的にも肉体的にもダメージを蓄積させていった。3Rには勝負に出た手塚がラッシュからハイキックを放ち、それがゲルトの側頭部を完全に捉え、衝撃的なKO劇を演出した。全盛期を過ぎたレスラーがロシアMMAチャンピオンを倒すという下剋上に会場の客は感動を覚え、大いに沸き上がるのだった。
手塚・フラッシュ コメント
イゴーリ・ゲルト、執念の関節技だったね。どんなところからも狙ってくる。オレは正直恐怖すら感じたよ。でも、オレが一番苦手な関節技をオレの集中力がそれを極めさせなかった。そして、2Rでオレの膝蹴りが何本か入ったところでイゴーリの動きの変化をオレは見逃さなかった。それを信じて3R開始から勝負を賭けて、打撃を続けている瞬間、オレには光が見えたんだ。オレはそこにキックを入れた。気がついたらイゴーリはオレの前に倒れていた。
しかし、オレはこの試合に勝ったけど、この試合はオレよりイゴーリ・ゲルトの方がフラッシュだったかもしれないよ。あんな飛び付いてまで関節を取ろうとした選手はJUSTICEの時にはいなかったからね。でも、勝ったのはオレだ。つまりオレの方がフラッシュだったんだろう。
イーゴリ・ゲルト
手塚をロートルだと侮っていタが、彼は本物のファイターだっタ…ワタシに関節を極めさせなかった粘りと精神力に敬意を表するヨ。ひょっとしたら彼のような選手が台風の目になるのではないだろうカ?彼の活躍に期待したいネ。(試合直後のコメント)
第ニ試合
○レンブラント・バレンティン VS ボー・ガードナー✖️
3R 2:08 後転腕ひしぎ逆十字固め→タップアウト
ギロチンチョークで攻めるガードナー
死力を尽くした腕十字を極めるレンブラント
ヨーロピアンモンスターの異名通り、序盤からスタンドでのパンチの打ち合いやグラウンドでの攻防でガードナーを圧倒するレンブラント。このまま試合は進むのかと思われたが、2Rガードナーがタックルにいったレンブラントの顔面に膝を合わせ試合の流れを変える。 KOこそ免れたものの頭部にダメージを負ったレンブラントの動きは鈍く、ガードナーが一気に攻める展開となった。3Rには何とか立て直したレンブラントが激しい攻防の末に腕ひしぎ逆十字固めを極めて試合を決めた。
ボー・ガードナー コメント
僕なりに勝つための戦略を立てて食らいついたんだけどね。結果に結びつかなくて悔しくよ。予定では2Rで勝てているはずだったんだけど…そのあたりがヨーロッパ王者レンブラントの底力なんだろうね。とにかく身体が硬くて岩を殴っているみたいだったよ。
レンブラント・バレンティン コメント
ヨーロッパのMMAのレベルの高さを見せつけるつもりだったけど、逆にアメリカ勢のレベルの高さを実感させられた試合だったよ。2Rにカウンターで膝をもらった時は本当に危なかった。こんなに危機感のある試合久しぶりだったよ。このトーナメント一戦一戦気を引き締めてかからないといけないね。
第三試合
○エクセル樋口 VS 篠原源ニ✖️
2R 0:28 胴絞めフロントネックロック→失神KO
下段蹴りで攻める篠原
フロントネックロックで篠原を絞め落とす樋口
何本かローキックをもらうものの、序盤からペースを作ったのは樋口だった。テイクダウンからの三角絞めで篠原の打撃をほぼ封じ込めていた。そしてその勢いのまま2Rに胴絞めフロントネックロックで篠原を絞め落とし試合を決めた。終わってみると篠原を完封した、樋口の強さの際立った試合だった。
篠原源ニ コメント
悔しいが完敗だったというしかない。樋口はよくシミュレーションしていたのだろう。わしを敗った彼の活躍を期待するだけだ。
エクセル樋口 コメント
研究した通りの試合になったので、そこは満足してます。一つ強くなれた実感もあるので、篠原さんのお陰です。次も勝ちます。
第四試合
✖️ヒューゴ・ガルシア VS ディミトリ・チェレンコフ○
2R 0:26 ミドルキックコンビネーション→ KO
殺人蜂の一刺しと呼ばれる膝蹴りを放つチェレンコフ
グラウンドで流れを変えようとするガルシア
侍で期待の日本人選手二人を相次いで KOし、優勝候補の一人として数えられるガルシアが無名の新人のアグレッシブな打撃にみるみる追い詰められていくまさかの展開をみせた第四試合。途中必死に流れを変えようとするガルシアだったがハイキックを何発も受けたダメージは深く、チェレンコフの勢いを止められず、最後は左ストレートとミドルキックのコンビネーションを受け前のめりに倒れ込むのだった。
ヒューゴ・ガルシア コメント
信じられないよ。まさかこの僕があっさり負けてしまうなんてね。チェレンコフは無名の選手だったから少し油断はあったと思うけど、彼の実力は本物だね。とにかく打撃の勢いがすごいんだ。全く、すごいルーキーが出てきたものだよ。
ディミトリ・チェレンコフ コメント
試合は結果が全てだ。過去にどうだったかは関係ない。俺が強かった…それだけだ。次も勝つ。