飛谷、新たな仲間を連れて参戦表明!

東京、目白にあるFFF事務所。そこで急遽行われた記者会見に、懐かしい顔があった。

その人物こそ、格闘技イベント“JUSTICE”で当時の沖縄を背負って立つ格闘家として、そして平川と同じく日本人エースとして、ホテイシー一族と熱戦を繰り広げてきた男、飛谷拳獅だった。

そう、あの飛谷が帰ってきたのだ。

 

「皆さん、ご無沙汰しています。飛谷です。日本の皆さんの前にこうして現れるのはもうずいぶん久しぶりな気がします。」

神妙な顔つきで話し始めた飛谷。隣には見慣れない顔もあった。飛谷はコメントを続ける。

 

「桑江さんがFFFを立ち上げてもう5年ですか。早いものですね。旗揚げの時はもちろん僕にも桑江さんから話がありましたよ。一応僕も昔は南国プロレスの所属ではあったんで。でも、FFFの構想には総合格闘という路線は無いということも聞いてたんで、桑江さんたちが再出発するのはもちろん嬉しかったんですが、僕はプロレスに戻ることはせず、自分なりに世界と闘い続けました。それこそアメリカだけじゃなく、ドイツにイギリス、ロシアにスペインなど、いろんなところで試合をしてきましたよ。もちろん昔のJUSTICEの時のようにメインでスポットライトを浴びるようなものじゃなかったんですけどね。それでも僕は自分のファイトを信じてやってきましたよ。その中で出会ったのが、隣にいる樋口です。」

 

隣の男が簡単に挨拶をする。

「初めまして。エクセル樋口といいます。元々はイクヤさん、いや麦仙人さんの道場でずっと修業をしてたんですが、麦仙人さんから『お前はプロレスより一瞬の勝負の世界の方が向いているかもしれない』と助言を貰い、そこから飛谷さんと行動を共にしてきました。そこで磨いてきたサブミッションには自信があります。」

 

樋口の言葉が終わると、飛谷が言葉を引き取り話し続ける。

 

「そんな僕と樋口ですが、日本で改めて戦いたいと思います。そう、平川くんが立ち上げた”侍”に、参戦させてもらいます。もちろん簡単に勝てるとは思っていません。でも侍の旗揚げ大会を見させてもらって、もう一度あの盛り上がりを、熱狂を日本に取り返したいって思ったんです。そう、僕も平川くんもともに戦っていた、あのJUSTICEの熱狂を。だから、僕はもう一度、ここ日本で戦います。相手は誰でも構わない。どちらにしても強いやつと闘って、勝ち続けるだけですから。以上です。」

 

こうして会見は終わった。会見の最後に、飛谷と樋口、両名がカメラの前でファイティングポーズを取り、最後は二人ともニヤリと笑い、会見の場を後にしたのだった。

 

「飛谷参戦!」

このニュースは、日本の古参ファン、JUSTICEファンにとっては嬉しい出来事かもしれない。しかし本当にファンが喜ぶのは、次回の”侍”で、飛谷の復活勝利を見届けた時ではないだろうか。

満を持して初回興業を行う、次回の”侍”が楽しみである。