侍 第八陣 7.28
第一試合 最強ルーキー決定戦
✖️横山正臣 VS ブルーノ・ブライアント○
1R 2:30 馬乗りナックルアロー→KO
デビュー以来2連勝し、UMF期待の新鋭として注目を集める横山だったが、試合開始からブルーノに手も足も出ない。最後は強烈なタックルでテイクダウンを取られ、パウンドのラッシュを浴び、KOされてしまうのだった。
パウンドで横山を攻めるブルーノ
横山正臣 コメント
とんでもない怪物でした。平川さんたちはこんなとんでもない選手たちと日々闘っていたのかと、その大変さを実感しました。何も出来ずに負けましたがいい経験になりました。次は勝ちます。
ブルーノ・ブライアント コメント
この程度のレベルの選手ではワタシの相手にはならなイ。もっと有名で実績のある選手と試合をしたイ。自信?もちろん、あるに決まっているヨ。
第二試合 異種格闘技戦 プロレスVSキックボクシング
✖️Marco R VS ジャック・ターナー○
2R 2:50 カウンタースナイパーフック→KO
プロレスラーとN-1選手の意地をかけた一戦。序盤は蹴り、投げ、関節技を駆使してMarcoがやや優勢で試合が進む。ところが1R後半にターナーの強烈なスナイパーフックがMarcoを捉える。ここから明らかにパンチをもらう回数が増えたMarco。レスラーならではの打たれ強さで耐えているものの、厳しい展開になっていく。2Rではジャーマンスープレックスやサイドスープレックスなどの大技を出し、逆転を狙うも、最後にはクロスカウンター気味にスナイパーフックをもらい、KOされてしまうのだった。
サイドスープレックスで逆転を狙うMarco
カウンターでスナイパーフックを当てるターナー
Marco R コメント
完敗デス! そろそろ勝ちに向わないとレスラーが舐められてしまいマスネ。頑張りマス。
ジャック・ターナー コメント
Marcoの打たれ強さには驚かされタ。プロレスラーの意地を感じたヨ。でも勝ったのはオレだ。次も勝ツ。
第三試合 ミドル級王座挑戦権決定戦
✖️久手堅カナメ VS イーゴリ・ゲルト○
2R 2:58 飛び付き腕ひしぎ逆十字固め→タップアウト
序盤は投げ技でテイクダウンを取るものの、なかなか寝技に持ち込まないゲルトと、その攻めの間に打撃を入れていく久手堅の静かなやりとりが展開された。試合が動くのは2Rからであった。何と積極的にグラウンドで攻める久手堅。意表を突かれたゲルトは、主導権を取られかける。しかし、2R終了間際に冷静さを取り戻したゲルトが一瞬の隙をつき飛び付き腕十字を仕掛け、久手堅の腕を完全に極めるのだった。
三角絞めで極めにいく久手堅
飛び付き腕十字を仕掛けるゲルト
久手堅カナメ コメント
一戦一戦、手応えは感じているんだ。今回もイーゴリ相手にグラウンドでも通用したと思ってる。でもね。勝たなきゃ意味が無いっていうのは、この侍のリングに立つことになった理由でもあるからね。なかなか安定して勝てなくなってきた要因を見つめ直すよ。
イーゴリ・ゲルト コメント
久手堅のグラウンドの力量を見誤っていタ。あれほどのテクニックを持ったの選手とはネ。精神の揺らぎが敗北につながる、そういう意味では危ないところのある試合だっタ。
第四試合 プロレスラーリベンジマッチ
✖️チャーリー・ブロンソン VS マイク・ホフマン○
2R 1:47 抱え上げリフトアップスラム→失神KO
執拗にローキックで脚を攻めるチャーリー
ハンマーナックルでチャーリーを殴りとばすホフマン
チャーリーがついに侍に参戦。プロレスファンの注目の一戦となったこの試合。1R開始から多くのファンが期待した通りの激しい乱打戦が展開された。パンチを振り回すホフマンと執拗にローキックで脚を壊しにくるチャーリー。互角の打ち合いは、強力なパウンドを顔面に放ち、チャーリーを流血させたホフマンが一歩リードするかたちとなる。そして、脅威的な腕力でチャーリーをパワーボムで投げ捨て、脚がふらついている隙に、腕をぶん回した強烈なハンマーナックルを顔面に放つ。チャーリーはかなりのダメージを負ったはずだが、まだ倒れない。2Rからはダメージを負いながらもインターバルで回復したチャーリーが鬼の形相でホフマンの後頭部にエルボーを落とす。チャーリーのパウンド&エルボーにプロレスファンは沸くが、ホフマンのパンチラッシュ、パウンドでチャーリーの意識は明らかに朦朧としている。そしてトドメにリフトアップスラムで高い位置から落とされ失神してしまうのであった。
鬼のエルボーを放つチャーリー
リフトアップスラムで重量挙げのパワーを誇示するホフマン
チャーリー・ブロンソン コメント
試合序盤にあのパンチをもらってしまったのはオレの油断だった。あの一撃で流血もしてしまったし、ローキックで動きを停め、距離を取り、自分のペースで行くはずだったんだが、、、。マイクは強かったよ。何よりあの技で終わらせたこと。彼の中にプロレスを感じたよね。そして、MMAを学ばせてもらった。オレはまだまだ終わらない。オレはやるぞ!
マイク・ホフマン コメント
確かにチャーリーは弱くはなかっタ。アイツのファイティングスピリットは認めざるを得なイ。正直、後頭部にエルボーを落とされた時はアイツの殺気に恐怖すら感じタ。だが、プロレスラーではオレには勝てなイ。これはもう分かってもらえたのではないか?何ならプロレスのチャンピオンとプロレスルールでやってもいイ。結果は同じダ。
第五試合 ヘビー級トップ戦線(筋肉対決)
✖️平川賀厚 VS ビル・バートレット○
3R 1:41 馬乗り後頭部パンチ→KO
序盤アームロックで腕を攻める平川
トールハンマーを打ちつけるバートレット
試合は打撃で牽制しながらアームロックで腕を極めにいく平川と、グラウンドに持ち込みパウンドで仕留めようとするバートレットという図式で進んでいく。2Rまでは平川が攻めている時間が長くバートレットの腕はダメージを蓄積させていく。しかし、2R終了間際には2発の強烈なトールハンマーをきっかけにバートレットに試合の流れは傾く。何発ものパウンドを浴び深刻なダメージを負う平川は3Rに全てをかけたヒールホールドで逆転を狙うも仕留め切れず、その後にバックマウントを取られ、後頭部にパウンドを浴びKOされてしまうのだった。
全てを賭けた平川のヒールホールド
試合を決めたバートレットのトールハンマー
平川賀厚 コメント
本当に悔しいよ。最後のヒールホールドで勝てると思ってしまった甘い自分が許せない…。とにかくトレーニングを積んで出直すしかないね。次はファンの期待に応えてみせるよ。
ビル・バートレット
危ない試合だっタ。平川は思った通りのグッドファイターだったネ。勝てて嬉しいヨ。次はベルトに向けて動いていくつもりダ。
第六試合 異種格闘技戦(合気道VSブラジリアン柔術)
○塩田隼人 VS リベリオ・カルデイロ✖️
4R 1:23 馬乗りパンチ→KO
ダブルアームバーを極めようとするリベリオ
合気道技の小手投げを決める塩田
静かな立ち上がりで始まった技能戦。2Rから徐々に塩田が押し始める。百戦錬磨のリベリオは完全に塩田のペースにはさせず、要所で関節を取ろうと機会をうかがう。それでも塩田の技は冴えていた。小手投げからのパウンド、そしてマウントを返してからのパウンド。関節技を狙いながらもパウンドで確実にリベリオを追い詰めていた。4Rに入り、逆転をねらい猛然と攻めてくるリベリオの攻撃を、塩田は何とか凌ぎ、最後はパウンドを連発しKO勝ちを収めるのだった。塩田はロバートに続き、侍の強豪外国人に2連勝目。日本人エースとしての実績を着実に積んでいる。今後にも期待が集まる。
4R猛然と襲いかかるリベリオ
試合を決めた塩田の馬乗りパンチ
塩田隼人 コメント
疲れましたね。一瞬でも気を抜けなかったので、試合時間も長めになりましたかね。勝ててよかったですよ。合気道も柔術に負けてないですよね?
リベリオ・カルデイロ コメント
柔術が合気道に負けたとは思いたくないが、私が塩田に負けたのは事実だから受け入れざるを得なイ。真っ向勝負の技術戦で負けたのは久しぶりだ。彼の実力は平川や飛谷のレベルに至りつつあるのではないカ?機会があれば塩田には借りを返す。それだけダ。
第七試合 侍ミドル級王座決定戦
✖️レンブラント・バレンティン VS ディミトリ・チェレンコフ○
2R 2:00 ダウン状態からの叩きつけハイキック→KO
強烈なタックルでテイクダウンを奪うレンブラント
一撃が重いレンブラントのパウンド
首相撲から積極的に膝を放つチェレンコフと手数では負けるものの、一撃が重く一発KOを期待させるレンブラント。一進一退の攻防を繰り広げる両者であったが、2Rレンブラントの強烈なパウンドで火がついたチェレンコフが、とんでもない膝のラッシュを放つ。たまらずダウンしたレンブラントは追い討ちにストンピングと後頭部に打ち下ろしのハイキックを浴び、動かなくなる。欧州王者も倒し、ますます手がつけられなくなるチェレンコフ。彼を倒す挑戦者は現れるのであろうか?
強力な膝蹴りのラッシュを放つチェレンコフ
決め手となった打ち下ろしのハイキックを打つチェレンコフ
レンブラント・バレンティン コメント
侍の王座に着くだけあるネ。チェレンコフはとんでもなく強イ…自信はあったけど、まだまだ考えが甘かっタ。鍛え直してまた挑戦するヨ。仕切り直しダ…
ディミトリ・チェレンコフ コメント
レンブラントのパウンドの威力はとんでもなかっタ。ラッシュのスピードの速いマクレガーとは違った強さを感じた…しかし、それでも勝ったのはオレだ。オレが最強ダ。誰にも負ける気がしなイ。
第八試合 侍ヘビー級王座決定戦
○飛谷拳獅 VS エンゾ・ホテイシー✖️
4R 1:33 ハイキック→失神KO
4点ポジションからの膝を積極的に打つ飛谷
前の試合の決め手となった腕十字で攻めるエンゾ
1Rはほぼ飛谷がエンゾを完封した内容だった。打撃で牽制しながら、タックル切り、隙あらば膝蹴りや関節技を狙っていく。エンゾの試合を余念なく研究した成果なのだろう。1R後半からようやく飛谷を捕まえ始めたエンゾ、ここからじわじわと飛谷を攻めていく。とくに背負い投げからの三角絞めで蟻地獄のように追い詰めていく様は不気味さを感じるものであった。3R以降エンゾからの反撃にあいながらも、飛谷はカーフへのローキック、グラウンドでの膝蹴り、ヒールホールドなどを多用し、脚と首へのダメージを蓄積させていく。少しずつ削られつつもエンゾも意地で反撃し、バックマウントから何発もパウンドを浴び、飛谷がなかなか脱出出来ないハラハラする場面もあった。それでもチョークスリーパーだけはさせないのは飛谷の危機回避能力があればこそなのだろう。そして試合は4Rに大きな展開を迎える。まずは開始直後に猛然とタックルでグラウンドに持ち込もうとするエンゾ、しかし飛谷がそれを見切り、腕十字で返す。今度は腕十字を外したエンゾがスピニングチョークを極めにいく。これも外す飛谷だったがスタンディングでエンゾのフックを何発も浴び、そこから胴絞めチョークスリーパーにもっていかれてしまう。かなりのダメージを負いながらも、完璧なタイミングで固められたこの絞め技は、エンゾの勝利への執念を感じさせた。これは危ないと誰もが確信した時、会場中は飛谷コールが湧きあがる。そして、この声援に応えるように飛谷はチョークを外し、ハイキックからのヒールホールドで意地の反撃を見せる。それでも極めさせないエンゾは立ち上がると同時にタックルにいこうとする。この瞬間はスローモーションのようだった。タックルにいこうとするエンゾに飛谷がカウンターでハイキックを放つ。エンゾに2度の敗北を喫し、無念の涙を飲んだ平川が飛谷との試合の最後に放った技である。飛谷だけでなく、平川のレスラー魂をのせた渾身のハイキックはエンゾの側頭部を完全にとらえ、エンゾは初めてリング上で倒れるのだった。劇的な飛谷の勝利と新王者の誕生に会場は飛谷コールで沸き返り、大いに盛り上がるのだった。
執念のチョークスリーパーで極めにいくエンゾ
試合を決めた平川の魂ものせたハイキックを放つ飛谷
飛谷拳獅 コメント
よし、オレが二代目チャンピオンだ! エンゾは強かったよ、でも連敗出来ないからね。これで何とかプロレスラーの強さを見せられたかな。渾身のハイキック、色んな思いを込めて打てた気がするよ。ありがとう。
ただここからだ。どれだけ防衛できるか。それにこだわっていきたいね。
エンゾ・ホテイシー コメント
プロレスラーの執念…侮ったつもりはなかったが最後のハイキックには飛谷選手の体重以上のものがのっていた気がする…今回は素直に負けを認めるしかない…それだけダ。