侍 第七陣 6.22
第一試合
○TOKU VS ヨハン・ゲッペルス✖️
3R 0:37 ブラジリアンハイキック→ KO
MMA初戦同士の試合となった第一試合。序盤はゲッペルスのジャブを多用し、綺麗に打ち分ける打撃テクニックが光った。中間距離ではゲッペルスの方が一枚も二枚も上手であった。TOKUはたまにローキックを返したり、グラウンドに持ち込むものの苦戦を強いられた。しかし、2Rの中盤以降スタミナが切れたのか、ローキックの蓄積が効いてきたのか、ゲッペルスのパンチにかつての威力を感じない。TOKUの攻める時間も増えてくる。そして最後はブラジリアンハイキックがゲッペルスの側頭部を捉え、TOKUが逆転勝ちを収めるのだった。
TOKUのブラジリアンハイキック
TOKU コメント
侍の初戦からまさかお互い流血しての試合になるとは思わなかったよ。ゲッペルスのパンチ、かなり効いたから危なかったけど、何とか初戦を勝てて良かった。ブラジルの神に感謝だね。
ヨハン・ゲッペルス コメント
久しぶりのリング。途中までは調子よく動けたけど、2R以降スタミナが切れてしまった。トレーニングをし直してくるよ…
第ニ試合
○ファビオ・カルーゾ VS ワイアット・スミス✖️
1R 2:59 フロントネックロック→タップアウト
1R序盤から後ろに回り、後頭部とも側頭部ともつかない場所にパンチを入れていくファビオ。この"えげつなさ"が地下団体カテナチオで勝ち抜いてきた強さなのだろう。一方のスミスも喧嘩慣れしたファイターで簡単には急所には打たせない。だが1R終了間際にファビオのフロントネックロックが極まり、スミスは無念のタップアウト負けを喫してしまうのだった。
フロントネックロックで絞めるファビオ
ファビオ・カルーゾ コメント
ワイアット・スミス。我々カテナチオファミリーと同じ匂いを感じたね。そういう場所で経験を積んだんだろう。しかし、オレを相手に隙が多かったな。オレは一つの隙を見逃さない。そして、極める。
オレがここに来た目的の一つはホテイシーだ。ホテイシー一族よりもカテナチオファミリーの方が上であることを世界に伝えるために来た。それまでオレは負けるわけにはいかない。
ワイアット・スミス
くそっ!かなり喧嘩慣れした奴だった。こっちの首を絞めるのに何の躊躇もなかっタ。アイツはかなり危険ダ…
第三試合
○マイク・ホフマン VS 松本兼児✖️
2R 1:26 馬乗りハンマーパンチ→失神レフェリーストップ
プロレスラーを代表してマイク・ホフマンに喧嘩を売ったプロレス界の喧嘩番長、松本兼児。総合格闘技のトレーニングも積み万全の態勢で臨んだ大一番だったが、ホフマンのパワーと打撃に手も足も出ない展開。結局スタンディングで打ち下ろしのパンチをもらいダウン、そのままパウンドを一発、とどめに馬乗りになられ、ハンマーパンチを連打で浴びて失神してしまうのだった。Marco、松本の仇を討つFFFの選手の登場に期待したい。
ハンマーパンチで松本を攻めるホフマン
マイク・ホフマン コメント
マツモトだっけ?ショープロレスでは調子にのっていたみたいだけど弱すぎる!最近は弱いヤツとばかりマッチメイクされている。不満だ!
松本兼児 コメント
*失神し担架で運ばれたためノーコメント
第四試合
○宮田玲 VS ヒューゴ・ガルシア✖️
3R 0:46 アームロック→タップアウト
宮田のリベンジ戦となったこの試合。打撃と関節技の入り混じる一進一退の激しい攻防が展開された。互角のまま進んだかと思われた試合だったが、いつのまにかガルシアの腕が上がらなくなっていた事実が2R後半に発覚する。宮田が極め切れないながらも執拗に腕を攻めていたのだ。そして3Rにとどめとばかりに平川直伝のアームロックで極めにかかる。必死に凌ぐガルシアだったが、最後には完全に極められてしまいタップアウト負けを喫するのだった。
意地のアームロックで絞り上げる宮田
宮田玲 コメント
なんとか勝てました。リベンジ成功です。相変わらずガルシア選手は強かったですけど意地ですかね?「今度こそ腕を極めて勝つ」って気持ちでがむしゃらに闘いました。ありがとうございました。
ヒューゴ・ガルシア コメント
宮田の成長には驚かされたよ。たった数試合でここまで上手くなるとはね…次は負けないと伝えておいて欲しい…それだけだよ。
第五試合
○塩田隼人 VS ロバート・キース・コレッタ✖️
4R 0:23 脇固め→タップアウト
ハイレベルなスタンディングやグラウンドでの攻防が展開されたこの試合。塩田の関節技が極まるかと思えば、ロバートが関節技でさらに返す、塩田が蹴りを放ちダメージを与えたかと思うと、ロバートのパンチが塩田を捉える。手に汗握る攻防は4Rにまで及んだ。そして4R塩田の関節蹴りからの脇固めというゴメスを葬った連続ムーブがロバートの腕を完全に極め、レフェリーは塩田の勝ちを宣告した。JUSTICEのレジェンド選手に勝利した塩田。この勝利は彼の強さを証明するものとしては充分なものだ。
脇固めで試合を決める塩田
塩田隼人 コメント
さすがと言うべきでしょうか。相手の流れにさせない事を意識していましたが、逆に自分のペースにもできませんでしたね。最後はちょっとラッキーだったとも思います。勉強になりました。ありがとうございました。
ロバート・キース・コレッタ
塩田はテクニック、スピリットを備えたグッドファイターだった。ここまでの選手が育ってきているとは、時代が新しい時代に変わりつつあるのかもしれないね…でも、まだまだワタシは闘えるよ。次は勝つ。見ていて欲しい。
第六試合
✖️エクセル樋口 VS サムエウ・ホテイシー○
2R 0:16 胴絞めチョークスリーパー→レフェリーストップ
新技を身につけてホテイシーとの大一番に臨む樋口。しかし、サムエウはそんな樋口の実力を出させない闘い方をする。距離を潰しての腕攻めで腕力を奪ってから、2R開始直後に胴絞めチョークスリーパーで樋口の意識をあっさりと絶ち切ったのだった。久しぶりに登場したサムエウは冷酷なまでの強さを見せつけた。一方で今回、練習の成果を発揮できなかった樋口、彼のリベンジ戦に期待したい。
チョークスリーパーを極めるサムエウ
エクセル樋口 コメント
悔しいです、修行の成果を全く出せず・・・。改めてこのリングの厳しさを思い知らされました。もう一度で直します・・・
サムエウ・ホテイシー コメント
樋口には悪いが、あっさり決めさせてもらっタ。復帰戦だったのでね…。少し出遅れたけど、チェレンコフには借りを返さないといけない。もう少し調整して、リベンジするつもりダ。
第七試合
✖️久手堅カナメ VS レンブラント・バレンティン○(侍ミドル級王座挑戦者決定戦)
3R 1:19 渾身のガードポジションパンチ→失神 KO
ミドル級日本人エースとMMAヨーロッパ王者の対決となったこの試合。序盤はレンブラント、中盤は久手堅がやや優勢に試合を進めるものの、両者の力は拮抗していた。しかし、3Rに入るとレンブラントの攻めている時間が長くなっていた。強烈なパウンドにダメージを受け、削られていく久手堅、蹴りを放つも脚を取られアキレス腱固めで返されてしまう。そして最後はガードポジションから強烈なパウンドを2発浴び、失神してまうのであった。王座挑戦はお預けとなってしまった久手堅。次の試合に期待したい。
試合を決めたレンブラントのパウンド
久手堅カナメ コメント
あと一歩のところまで来たけど、レンブラントの圧力が凄かった。それを跳ね返せなかったね。まだまだオレは強くなれる。もう一度自分の強みを磨いて、挑戦したいと思うよ。
レンブラント・バレンティン コメント
久手堅は強かったよ。手塚の時も感じたけど、日本人選手はメンタルが強いよね。とにかくこれで王座に挑戦する権利を得ることが出来た。次はチェレンコフ、彼と闘ったことはないけど強いのはわかっている。充分に準備をして臨むつもりさ。
第八試合
○飛谷拳獅 VS エイトール・サントス✖️(侍ヘビー級王座挑戦者決定戦)
4R 0:51 ヒールホールド→レフェリーストップ
柏林空手最強の怪物と総合格闘技界のレジェンドの対決。試合は飛谷が上手く距離をコントロールし、打撃を避けつつ、スタンディングでは打撃を放ち、グラウンドではサブミッションを仕掛けていく展開となった。飛谷が三発当てるとサントスが一発を返すような飛谷有利の展開であったが、とにかくサントスの一発が重く、一撃で決まる可能性もあるため、緊張感が尋常ではなかった。いつしかローキックを受けた飛谷のももは紫色になっていた。そして2Rカウンターでサントスの正拳突きが飛谷を捉える。あのリベリオを KOした技だ。会場は一瞬騒然となったが飛谷はすぐに立ち上がり、変わらぬファイトを見せ、サントスを攻める。ファンは安心をしたが、3Rサントスの軽く打った正拳突きに飛谷は体勢を崩してダウンする。我々の考える以上に飛谷にダメージが蓄積されている事がここで発覚する。しかし、飛谷は気迫でサントスを後ろ回し蹴りやパウンド、フロントスープレックスなどで攻める。そして4R飛谷のラッシュからの飛び膝蹴りに、ついにサントスが崩れる。最後はヒールホールドを完全に極め、レフェリーストップ勝ちを収めたのだった。
会場が息を飲んだサントスの正拳突き
意地の逆転勝利を決めた飛谷のヒールホールド
飛谷拳獅 コメント
いやあ、しんどかった。タフな試合だったよ、ほんと。エイトールの重いパンチは効いたね・・・。でもオレもこれ以上負けられないし、ベルトに挑戦したいからね。何とか気合で耐えられたかな。これは自信になるよ、オレにとってもね。
エイトール・サントス コメント
飛谷の打たれ強さは異常だっタ。あれほどワタシの打撃を受けて立っていた選手は初めてダ。彼には何かしら背負っているものがあるのだろう。今回は負けを認めるが、次はこうはいかなイ。
第九試合
✖️手塚・フラッシュ VS ディミトリ・チェレンコフ○(侍ミドル級王座決定戦)
2R 1:49 渾身の膝蹴り(殺人蜂の一刺し)→ KO
侍ミドル級グランプリ準決勝では手塚の疲労とダメージがあまりに大きかったため、決着の場としてミドル級王座決定戦が用意された。1Rから緊張感のある展開で、チェレンコフが蹴りを打てば手塚も蹴りやパンチを返す。ただチェレンコフの方が身体が大きいため、若干有利に手塚にダメージがあるように見える。手塚も負けじと、レンブラントを失神に追いやった腕を固めてからのパウンド攻撃を繰り出す。そして試合が動いたのは2Rになりすぐだった。チェレンコフのラッシュからの飛び膝蹴りが手塚の顔面を捉える。そしてダウンしたところに更に膝蹴りを打ちまくる。根性で耐えた手塚はその後、膝を返し、パウンドを放つも、また首相撲からの膝蹴りのラッシュを浴びてしまう。深刻なダメージの中、それでもボディへのパンチを連打し、バックマウントポジションからパウンドを打つ手塚。その気持ちの強さに会場のファンは感動を覚えるのだったが、また無情にもチェレンコフの膝蹴りが手塚を捉え、手塚はズルズルと前のめりに静かに倒れ、レフェリーは試合終了を告げるのだった。
腕を固めてパウンドを放つ手塚
無情の膝蹴りを打つチェレンコフ
手塚・フラッシュ コメント
今日のオレはノーフラッシュだ。チェレンコフ、北沢以上の威圧感だったよ。オレがトーナメントで戦った時のチェレンコフとは別人だった。ベルトがそうさせたのか。今の彼は真のチャンピオンだよ。
ここからオレのフラッシュを取り戻せるのかはわからないが、やれるだけのことはやるつもりだ。その先にチェレンコフがいたらフラッシュだよ。オレのフラッシュは必ずフラッシュなはずだから、オレはそれを証明したい。オレのフラッシュのためにもね。
つまり、今日はオレの完敗だ!
ディミトリ・チェレンコフ コメント
膝をあれほどもらっていながら、向かってくる手塚の気持ちの強さは認めル。だが、オレの敵ではなかっタ。彼が万全のコンディションであってもオレの方が強いということがよくわかっただろウ。オレは誰にも負けなイ。
第十試合
✖️平川賀厚 VS エンゾ・ホテイシー○(侍ヘビー級王座決定戦)
2R 0:11 渾身のチョークスリーパー→タップアウト
平川の信念とプライドをかけた再戦となったこの試合。ファンの期待とは裏腹に、序盤からエンゾに腕を取られ、間一髪でかわすものの、一方的に攻められ続ける展開となる。途中左フックを当てて、グラウンドでの膝蹴りからフロントネックロックに移行し、見せ場を作るシーンもあったが、バックマウントポジションで一方的に攻め込まれた平川に2Rで闘っていく余力はほぼなかった。そして2R開始直後にテイクダウンを取られるとあっさりチョークスリーパーを極められてしまうのだった。
強烈な膝蹴りで一矢報いる平川
試合を決めたエンゾのチョークスリーパー
平川賀厚 コメント
今回も完敗だった…打倒エンゾに燃えていたけど、こうも完全に抑え込まれるとはね…この敗戦はショックだし、ファンにも申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。あとは飛谷選手に任せるかたちになるかな…自分でケリをつけられないのは悔しいけど、プロレスラーとしての思いを彼に託したい…
エンゾ・ホテイシー コメント
平川や周りの関係者は何度やっても同じだという事がわかったのではないか?私は誰にも負けない。次にまた飛谷が出てきても同じ事だ。