侍第弍陣 二月十一日 試合結果
第一試合
○ オリバー・ロビンソン VS カムナン・チナワット ✖️
2R 2:06 馬乗りパンチ
壮絶な打撃戦になった第一試合、1R前半はオリバーのパンチがチナワットを捉え、勢いにのる。このまま決まるかと思われたが、1R後半から2R前半にチナワットの素早いムエタイキックがオリバーを打つ。常人では耐えられない蹴りを浴びつつ、最後はオリバーが膝蹴りで倒れたチナワットにパウンドを打ちまくりレフェリーストップでKO勝ちを収めた。
オリバー・ロビンソン コメント
相手もなかなか強かったがオレが勝っタ。殴り合いならオレに勝てるヤツはいなイ。
カムナン・チナワット コメント
自分の技が総合格闘技で通用する感触はあった。ただオリバーが思った以上に打たれ強く、パワーがあったので、こんな結果になってしまった。また、参戦して今日のリベンジはするつもりだヨ。
第ニ試合
○ 塩田隼人 VS ミスター・ドーン✖️
2R 2:33 腕ひしぎ逆十字固め
序盤ローキックとサイドキックで距離をとりつつドーンの脚を削っていく塩田。ドーンはなかなか距離を詰められず、焦って不用意に近づくとグラウンドで極められそうになる展開。しかし、2Rになり徐々にドーンのパンチが塩田を捉え始める。パウンドで流血した塩田が追い詰められたと思った矢先に、カウンターの腕ひしぎ逆十字固めがドーンを捉える。たまらずドーンはタップアウトし、試合は塩田の勝ちで終わった。
塩田隼人 コメント
流石に全ての攻撃を捌くことはできませんでしたが、合気の一端は見せられたかと思いますね。ドーンのパウンドで流血してしまったこともありますし、自分としては80点ですかね。次はもっと綺麗な顔で勝ち名乗りを上げたいです。
ミスター・ドーン コメント
アイキドウ?よくわからなかっタけど、ミーのパワーが逆に利用されたように感じたネ。悔しいが今回は負けたヨ。また出直すネ。
第三試合
○ 宮田玲 VS コナー・アンダーソン ✖️
2R 2:52 腕ひしぎ逆十字固め
試合序盤にスタンディングでアンダーソンと互角の打ち合いを演じる宮田、打撃のすきをぬってグラウンドに持ち込み少しずつサブミッションでアンダーソンを削っていく展開をみせた。そして、試合が動いたのは1R終了間際だった。アンダーソンの顔面フットスタンプがダウン中の宮田の顔面にヒットし、流血。ここから試合の流れが変わり、アンダーソンの強烈なキックが宮田を捉え始める。2R後半になんとか体勢を立て直した宮田がパンチの腕を掴み腕ひしぎ逆十字固めでアンダーソンからタップを奪うことに成功するのだった。
宮田玲 コメント
コナー、強かったですよ。正直かなり危なかったと思います。侍のリングで一つ勝ててほっとしています。ただもっと強くならないとエンゾに挑戦できませんね。頑張ります。
コナー・アンダーソン コメント
サブミッション対策はしていたが、極められてしまっタ。宮田は思った以上にタフな相手だったネ。もっと技に磨きをかけて戻ってくるつもりダ。
第四試合
○ 久手堅カナメ VS ボー・ガードナー ✖️
3R 0:16 後ろ回し蹴り
下馬評では8:2でガードナーが勝つと思われていたが、試合が始まると久手堅の予想外の強さに会場中が息を飲んだ。久手堅の打撃にほとんど手が出ないガードナー。試合をコントロールしたのは久手堅の方だった。2Rに何とか立て直し、反撃をはかるがダメージの蓄積もあり、ガードナーは劣勢。そして3Rに久手堅の放った鋭い後ろ回し蹴りがガードナーの側頭部にヒットし失神KOとなった。衝撃のデビュー戦に会場のシーサーファンの中には涙を流している者もいた。
久手堅カナメ コメント
正直、これだけうまくいくとは思ってなかったから、結果としてはとても嬉しいよ。とはいえ再戦してまた勝てるかというとわからないっていうことも自覚してる。ガードナーの強さもね。
でもそれが総合格闘技の世界なんだっていうことを知ることが出来たのは、今までのオレにとってはとても大きい経験だよ。一瞬の差で結果として大きすぎる差になる。これまで例の裏トーナメントでそういう経験はしてるつもりだったけど、一戦一戦が全てそういう緊張感を持っているっていうのは気付きになった。
これは今後のオレにとっても大きい糧だね。
今後? もちろん一回勝ったから終わりってわけじゃない。行けるところまで行って最大限経験値を高めたいと思う。
ボー・ガードナー コメント
久手堅選手?強いなんてものじゃなかったよ。あれでMMAデビュー戦とは信じられないよ。油断していたとはいえ、この僕が試合を組み立てられないままKOされたんだ。こんなの初めてだよ。機会があればまた彼とは試合をしたいね。今度は入念な試合プランを立てて試合に臨むつもりさ。
第五試合
✖️ エクセル樋口 VS ヒューゴ・ガルシア ○
3R 0:48 ガードポジションパンチ
1Rは両者互角の立ち上がりで激しい攻防がスタンディングとグラウンドで繰り広げられたが、2R以降ガルシアのパンチやパウンドがヒットする場面が目につきはじめる。そして3Rに入るとガルシアのパウンドが完全に樋口を捉え、流血&失神KOとなり試合は終了した。終わってみるとガルシアの強さと上手さが際立った試合であった。
エクセル樋口 コメント
悔しいっす・・・。ずっと耐えられるつもりだったんですが、根性でも限界があるってことを知りました。
そのためにはどこまで耐えられるかというのを冷静に把握して、仕掛け所を冷静に見極めるしかないっすね。次こそ勝ちますよ。
ヒューゴ・ガルシア コメント
エクセル樋口はグッドファイターだったけど僕の経験値が彼の上をいったということさ。あれだけパンチを浴びちゃうといくら彼がタフでも根性だけでは耐えられないよね。あと侍のリングはお客さんの反応も良いし気に入ったよ。また日本で試合をするつもりだから観ていて欲しいね。
第六試合
○ エンゾ・ホテイシー VS ビル・バートレット ✖️
1R 1:59 チョークスリーパー
1Rの開始と同時に全力で相手を仕留めにかかる両者、最後はビルのパウンドで流血しながらも熾烈なポジション争いを制してバックマウントを取ったエンゾがチョークスリーパーでビルを絞め落とすのだった。
エンゾ・ホテイシー コメント
今回は試合時間は短かったけどハードな試合だった。一歩間違えるとやられていたのはこちらだったからね。ホテイシー柔術の強さを見せられたことには満足しているよ。
ビル・バートレット コメント
若い世代の選手に連敗してしまうとはショックだよ。私も衰えてきているということなのか…認めたくないね。
第七試合
○ 平川賀厚 VS マイク・ホフマン ✖️
3R 1:21 ヒールホールド
巧みな試合運びで、ホフマンに隙を与えず平川が優勢のまま1Rは終了する。そして、2Rからはホフマンの豪腕パンチが平川を捉え始め、試合を五分五分へと引き戻す。先がわからなくなった3Rでは、タックルでテイクダウンをとった平川がヒールホールドを極めてホフマンからタップを奪った。日本のエース復活にUMFファンのボルテージは最高潮に達するのだった。
マイク・ホフマン コメント
シット!平川があそこまで強いなんて思わなかった!油断はしていなかったが、慢心しているところはあった。次はこうはいかない。
平川賀厚 コメント
ホフマンみたいな強い相手と闘って勝つのはレスラー冥利に尽きるね。前回のホテイシー戦でプロレスファンの皆さんをがっかりさせてしまったから、今回はそのファンの人たちの期待に応えられて本当にほっとしているよ。次も強い相手とヒリヒリするような勝負をしていきたいと思っているんで応援よろしく。
第八試合
○ 飛谷拳獅 VS リベリオ・カルデイロ ✖️
5R 0:14 キャプチュード
試合は終始、立技、寝技、関節技、打撃の入り乱れるハイレベルな攻防が続く展開となった。予想通り両者の力量は拮抗しており、試合は決定打を欠くまま4Rへともつれ込んだ。そして試合を動かしたのは飛谷の放ったキャプチュードだった。この攻撃を予想していなかったリベリオは肩を痛めてしまう。ここに勝機を見出した飛谷は腕ひしぎ逆十字固めでリベリオの腕をとにかく攻める。意地で極めさせないリベリオも果敢に反撃をするが、5R開始時には明らかに腕が上がらなくなってきていた。そして5Rの開始直後飛谷の放った2回目のキャプチュードがリベリオの肩を完全に破壊し、KO勝ちを収めたのだった。総合格闘技の全てのエッセンスの詰まった激闘に会場は多いに沸きイベントは終了を迎えたのだった。
飛谷拳獅 コメント
まずはリベリオ、素晴らしいファイトをしてくれてありがとう。この試合はこの二人だからこそっていうのもお客さんに感じて貰えたと思う。
その上で、そんなリベリオに勝てた。オレにとってもこの結果は大きいね。
もちろんこの侍のリングでずっと勝ち続けられるって考えるほど己惚れてないよ。ただこの勢いで行けるところまでは行きたいと思う。おそらく今後ベルトも新設されると思うしね。
リベリオ・カルデイロ コメント
飛谷とは互いのベストを尽くした良い試合ができた。勝敗を超えた満足感があるが、これで終わるつもりはない。もう一度彼と闘い次は勝つつもりだ。